最終更新日:2026年9月27日
交通事故を依頼中でも、弁護士との委任契約を終了し、別の弁護士へ依頼し直すことは可能です。ただし、現在の契約の清算、新しい弁護士の受任確認、資料の引継ぎ、弁護士費用特約を利用している場合の保険会社への事前確認が必要です。
連絡が取れない、説明に納得できない、方針が合わないと感じても、すぐに解任を通知するのではなく、先に契約書と進行状況を確認しましょう。この記事では、変更前に確認したい費用と手順を順番に整理します。
結論:弁護士の途中変更は可能。ただし先に3点を確認
- 現在の委任契約書にある解除・費用精算の条項
- 新しい弁護士が事件を引き継げるか、期限に間に合うか
- 弁護士費用特約を利用中なら、変更後の費用が補償対象になるか
委任は当事者から終了させることができますが、精算方法は契約内容と、それまでに行われた業務の程度によって異なります。「変更できる」と「追加費用が生じない」は別の話です。
弁護士の変更を考える主な理由
- 問い合わせへの返答が長期間なく、現在の状況が分からない
- 示談、後遺障害、訴訟などの方針について説明が不足している
- 依頼時に聞いた費用と実際の請求内容が異なり、説明にも納得できない
- 交通事故案件の経験や、必要な手続への対応に不安がある
担当弁護士ではなく事務局との連絡が中心になっているだけの場合や、相手方・医療機関からの回答待ちで進展が見えない場合もあります。まず「現在の手続」「次の予定」「回答期限」を書面やメールで質問すると、変更せずに解消できることがあります。
弁護士を変更する手順
1.委任契約書と事件の進行状況を確認する
契約解除の方法、着手金・報酬金・実費の精算、預り金の返還、事件記録の返却方法を確認します。示談案への回答期限、後遺障害申請、訴訟期日、消滅時効など、止められない期限がないかも確認してください。
2.新しい弁護士へ先に相談する
現在の弁護士との契約を終了する前に、新しい弁護士が受任できるか確認します。利益相反、期限の近さ、進行段階などの理由で受任できない場合もあります。相談時には委任契約書、事故資料、保険会社とのやり取り、現在の提示額を持参すると説明しやすくなります。
3.費用と弁護士費用特約を確認する
現在の弁護士への精算額と、新しい弁護士の着手金・報酬金・実費をそれぞれ書面で確認します。弁護士費用特約を利用している場合は、変更を伝える前に保険会社へ連絡し、新しい弁護士の費用が承認対象になるか確認しましょう。
4.現在の弁護士へ契約終了を通知する
契約書で指定された方法に従い、契約を終了する意思と終了日を明確に伝えます。電話だけで済ませず、メールや書面など記録が残る方法も利用します。相手方保険会社への受任通知の切替えは、新旧の弁護士と確認してください。
5.記録と預り金を引き継ぐ
診断書、診療報酬明細、画像資料、事故証明書、休業損害資料、保険会社との書面、示談案、依頼者が提出した原本、預り金の精算書などを確認します。誰がいつ新しい弁護士へ渡すのかを決め、資料一覧を残しておくと安心です。
着手金は返金される?変更時にかかる費用
「着手金は必ず返金されない」「必ず全額返金される」とは言えません。委任契約書の精算条項、終了理由、それまでに行われた業務の内容や進行程度によって扱いが変わります。
- 現在の弁護士:着手金、既に行った業務に対応する報酬、実費、預り金の精算
- 新しい弁護士:新たな着手金、報酬金、実費など
- 弁護士費用特約:契約上限、保険会社の承認、既払い額を含む残りの補償枠
精算額に疑問がある場合は、請求の内訳と契約条項を確認し、説明を求めましょう。金額は事案ごとに異なるため、一般的な割合だけで返金額を判断しないことが大切です。
弁護士費用特約を使っている場合の注意点
弁護士費用特約が付いていても、変更後の費用が自動的にすべて補償されるとは限りません。保険会社の承認を得て支出した費用が対象となる契約や、補償上限・支払基準が定められている契約があります。
- 新しい弁護士を自分で選べるか
- 現在までに特約からいくら支払われているか
- 変更に伴う二重の着手金や精算金が対象になるか
- 新しい弁護士の報酬基準と保険会社の支払基準に差がないか
変更を決める前に、特約の保険会社と新しい弁護士の双方へ同じ内容を確認してください。
変更を急がない方がよい場面
示談回答期限や裁判期日が迫っている場合、後遺障害申請の途中、相手方から重要な回答が届く直前などは、引継ぎによって対応が遅れる可能性があります。変更できないわけではありませんが、新しい弁護士が期限と現在の方針を確認できる状態を作ってから進めます。
新しい弁護士へ確認したい質問
- 現在の資料を見たうえで受任できるか
- 今後の手続と見通し、想定される期間
- 担当弁護士と連絡方法、回答までの目安
- 着手金、報酬金、実費、途中終了時の精算方法
- 弁護士費用特約の支払基準との差額が生じる可能性
参考にした公的・弁護士会資料
まとめ:弁護士変更で損しないためのチェックリスト
- 変更前に現在の契約と新しい弁護士の受任可否を確認した
- 着手金・報酬・実費・預り金の精算方法を契約書で確認した
- 弁護士費用特約の保険会社へ変更前に確認した
- 示談回答期限や裁判期日など、直近の期限を確認した
- まずセカンドオピニオンで現状を確認する
- 新しい弁護士の交通事故案件の経験と連絡体制を確認した
- 変更時は保険会社・特約の保険会社にも連絡する
- 示談完了後に保険内容を見直す
あわせて読みたい → 弁護士費用特約まとめ
弁護士に相談すべきか迷ったら(判断のめやす)
交通事故のお金の問題は、状況によっては自分だけで対応すると受け取れる金額が変わることがあります。次のいずれかに当てはまる場合は、一度弁護士に相談して見通しを確認しておくと安心です。
- 提示された慰謝料・示談金の金額が妥当か分からない
- 後遺障害が残りそう/等級認定の結果に納得できない
- 保険会社の提示や対応に納得・安心できない
- 過失割合に納得できない
- 休んだ分(休業損害)がきちんと補償されるか不安
弁護士費用特約に加入していれば、自己負担を抑えて相談できる場合があります。まずは加入の有無を確認してみましょう。→ 弁護士費用特約まとめを見る
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